2020年2月15日の段階で、日本人31人の感染者がわかったコロナウイルス。1月29日に発熱、2月13日に感染が発覚した70代のタクシー運転手の周辺でも多くの感染者が出ており、義理の母親である80代の女性は亡くなっています。

ほかにも感染が判明した男性が発熱後新幹線で愛知に出張していたことや、海外への渡航歴もない医師の感染も確認され、感染は拡大しています。現在感染した皆様が一日も早く快復すること、そして感染が収束することを心から祈りながらも、今、一番大切にしたいのは慌てふためかないこと。医師の小田切容子さんは、パニックにならずに冷静にかつできることを確実に行う必要性を語ります。

そして、同時に気になるのは医療費の問題だと言います。それはどういうことなのでしょうか。

 

医師の間でもクールに受け止めている

コロナウイルスの件は、私の周囲は結構クールに受け止めています。ワクチンや治療薬がなく、肺炎になり易く、感染力及び毒性の高いインフルエンザのようなものだと考えています。ただ、政府の初期対応は残念としかいえません。感染症の専門家の意見は聞いていなかったのでしょうか。それとも、パフォーマンスだけで、実は感染が広がるのを防ぐ気はなかったのではないかとすら思ってしまいます。

「中国人を乗せたバスを運転し、風邪症状が出ている、どうしたら?」というような問い合わせは、コロナウイルス発症が明らかになってから、病院の救急にも多く来ていました。いまさら帰国者だけ検査したり隔離したりしても、中国本土から大量の人が入ってくるのは野放図なのですから、拡大を防ぐことは無理と思った方がいいでしょう。ニュース番組で早い段階から「国のやっていることは全く遅すぎて既に国内に相当感染している人がいると思っている」という医師のコメントも出ていましたが、本当にその通りだと思います。

春節が終わった。団体客の入国は中国政府が途中で禁止したが、すでに多くの人々が入国していた Photo by iStock

では我々は何ができるのか。今の時点で私たちにできることは、多くの識者が言っている通り。特に観光客の多いアトラクションスポットや、人の多い場所などにあまり行かないことと、マスクなしに咳やくしゃみをしていたり、大声で話しまくっていたりする人に近寄らないこと、手洗いをよくしてアルコール消毒をこまめに行い健康的な生活をすることかと思います。

マスクよりも手をきちんと洗うことが大切 Photo by iStock

パニックなっても害はあれど益にはならず、解決にはつながらないので、冷静に気をつけながらも過剰反応はしないようにしたいものです。