広告業界に激震走る——グーグルの方向転換が、なぜ重大なのか?

これはビッグデータ規制の始まりか
野口 悠紀雄 プロフィール

「クッキー(cookie)」は何に使われてきたか?

この問題の中心は、「クッキー」というものだ。

クッキーは最近様々なところで話題になる。リクルートナビの事件でも、「クッキーが使われていたのが問題だった」と報道された。

こうしたニュースを見ていると、「クッキーとは人々のインターネット行動を探る仕掛けであり、われわれは知らないうちに行動を把握され、それを利用されていた」という印象を受ける。そうであれば、「こうした物騒なものをやめて貰うのは当然」ということになる。しかし、本当にそういうことなのだろうか?

クッキーを理解するには、日常のインターネット閲覧を思い出すのがよい。

会員登録が必要なサイトがある。そうしたところでは、IDとパスワードを要求される。しかし、何度もそこにアクセスしていると、いちいちパスワードを記入しなくても開くことができる。これは、そのサイトが私が会員であることを認識しているからだ。

このための手段がクッキーなのである。私がそのサイトにアクセスすると、クッキーと呼ばれる情報がサイトのサーバーから送られてくる。そこには、私が会員であることが書かれてある。クッキーは、私のPC(あるいはスマートフォン)のブラウザに記録され、一定の期間保存される。
 
つぎにアクセスすると、その情報が相手のサーバーに送られる。それによって、サイトは会員のブラウザからのアクセスだと認識できるから、いちいちパスワードを入力しなくても見られるのだ。

 

クッキーは1994年に考案された仕組みだ。クッキーの役割は、会員の識別だけではない。たとえば、アマゾンなどのショッピングサイトで買い物をするとき、クレジットカードの情報などを登録しておくと、次回からはいちいち入力する必要がない。

あるいは、買物している途中で、商品をカートに入れたままログアウトし、しばらくしてもう一度そのサイトに戻ってくると、カートの中の品物が残っている。これはクッキーによって情報が保存されていたからだ。

自分のブラウザにどのようなクッキーが書き込まれているかは、見ることができる。 必要に応じて、クッキーを消すこともできる。

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