アジア風邪と休校
日本での感染症対策としての休校は、「アジア風邪」とよばれた1957〜8年のインフルエンザのパンデミックがきっかけとなったとされる。
全世界で大流行を起こしパンデミックとなる呼吸器疾患といえば、インフルエンザが代表だ。
歴史書から推定すれば16世紀からインフルエンザのパンデミック(というか風邪症状で始まる病気で人びとがたくさん亡くなったとの記録)が十年から数十年ごとにあったようだ。
ただし、当時もちろんウイルス検査はできていないので、ひょっとしたらコロナウイルスも人類史に登場していたのではないかと、私は疑っている。
「アジア風邪」は、1957年の4月に香港で確認され、その後世界各地に広がったインフルエンザだった(それ以前の冬に中国で流行していたといわれる)。
インフルエンザとしては季節外れだったため、当時は非常に恐れられた病気だった。実際に、そのインフルエンザによる死亡者数も世界で100万人と推定されている。
日本では5月から流行し、新学期になっていた学校での集団発生があり、さらに修学旅行による日本全国への拡散が疑われたことで、休校や学級閉鎖が厚生省から通知された。
これが感染症対策としての休校の始まりらしい。