新型コロナ「衝撃の休校要請」…多くの医師が疑問を抱いている

子どもたちにしわ寄せを強いる古い発想
美馬 達哉 プロフィール

「学童防波堤論」よりは自主休学の支援を

さて、こうした歴史的な経緯やら、学級閉鎖と休校という集団的な感染症対策の背景にある考え方を思い起こすと、現在の感染症対策もまた、社会を大人中心の目線で見て子どもたちに緊急措置の不便さのしわ寄せを強いる古い発想を引きずっているように感じられてならない。

学校で新型肺炎の局地発生が起きれば恐ろしいことであるのは事実だ。だが、学校の教室は、感染のリスクから言えば、会社のオフィスや満員電車と大差ないようにも見える。

〔PHOTO〕gettyimages

「なぜ、学校だけを?」という疑問は消しきれない。

それは、新型肺炎の蔓延の予防に有効かどうかという医学的な問題だけでなく、「上意下達に一律に集団で」という発想そのものへの違和感でもある。

確立した治療法のない現時点では、入院による隔離よりも、重症ではない人は自宅で自主隔離が好ましいとの考え方は国際的コンセンサスになりつつある。

同じように、自主的な休学や休職や自宅ワークを制度的にも金銭的にも手厚く支援するのが、独裁国家ではない日本にふさわしいやり方なのではないか。

 

新型肺炎対策に1000万都市を完全封鎖するなど強権的に見える中国だが、北京在住の友人に聞いてみると、内実はどうも違うらしい。

むしろ、これまでのSARSや鳥インフルエンザで震え上がっていた市民は、当初から政府発表は信用せず、率先して自宅に自主隔離を始めていたらしいからだ。だからこそ、政府命令での自宅隔離への反発は少ないようだ。

中国では「上に政策あれば下に対策あり(上有政策下有対策)」というが、(有効かどうかいまひとつ分からない)政策待ちで動くのではなく、自分たち自身で思考し判断して対策を立てていくことが日本でも求められている。

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