「巣ごもり銘柄」に注目せよ
そこで、足元で注目を浴びているのが、「家にこもる」ことを前提とした「巣ごもり銘柄」である。
これは、その名の通り部屋から出ずに消費、食事、その他の幅広いサービスを享受可能にするビジネスを展開している銘柄だ。分かりやすい例としては、先週金曜日のパニック相場の中で14%近い逆行高を見せた出前館(2484)あたりだろう。外に出られない状況なら出前で食事を取ろうとする心理が働くのは自然なことである。
特に、2月の最終週はこれらの巣ごもり銘柄の健闘が目立った。特に、休校要請の観測によってWeb学習塾関連の銘柄が軒並み上昇したのが特徴的で、他にも医薬品、日用品の買い溜め観測などでドラックストアの堅調さも際立った。このあたりは、感覚的にも理解しやすいところだろう。
そして、続いては定量面である。
一般に、こういったパニック相場においては、リスク回避型の投資行動が強く発生する。
具体的には、ポートフォリオの変動リスクを規定するベータ(市場の動きに対する感応度)、ボラティリティ(銘柄の変動性)といったリスク・ファクターが高い銘柄が猛烈に売られ、逆に低い銘柄は相対的に強くるなる現象が起こる。
実際に、先週もこの動きは顕著で、日米ともに強いリスク回避の特徴が出ていた。
上の図は、東証一部上場銘柄について過去1年のベータ、ボラティリティをパーセンタイル化および両者を平均して合成スコアとし、過去1週間のTOPIX超過リターンを対応付けてプロットしたものだ。
横軸の値が大きいほど、ベータ、ボラティリティが高く、高リスク銘柄となる。つまり、ベータ、ボラティリティが低い銘柄に資金を退避させれば、パニック相場でもダメージを抑えつつ切り抜けられる可能性が高いことになる。