VUCAの時代に必要な「問題発見力」を高める思考回路とは

連載『問題発見力を鍛える』vol.1
細谷 功 プロフィール

問題発見→解決のプロセスと重要性のシフト

なぜそのような変化が必要になるのかを説明する上で、問題発見から問題解決に関するプロセスについて整理しておきましょう。

ここでいう「問題」というのは、資格試験や入学試験などの試験問題のようなものももちろんですが、日々の仕事や生活で直面する以下のような解決すべき課題のことをここでは表現しています。

・顧客の潜在ニーズから新製品やサービスを開発する
・新しいテクノロジー(AIやドローン等)の仕事への活用方法を考える
・組織や集団で誤解の少ないコミュニケーションを実現する
・世界的な環境やエネルギー問題を解決するための手段を考える
・職場の仕事の効率を上げ、従業員のモチベーションを上げるための働き方を考える

このような「問題」を解決していくためには、まずは問題そのものを適切な形で発見して定義する必要があります。つまり、問題解決の前にはその発見と定義があり、そこで初めて問題解決が可能になります。

したがって広義の問題解決のプロセスは、図に示すように問題発見→問題解決というステップになります。

まず問題発見というのは、身の回りの具体的な事象の観察から解決すべき問題を見つけ出すことで、それを実際に解くべき問題として定義するところまでが問題発見で、これが終わり問題が明確に定義されたポイントからその後工程としての問題解決が始まります。

図1 問題発見と問題解決

ここで重要なのは、先にお話した時代の変化やAIの発展に伴って、その重要性が川下側の問題解決から川上側の問題発見にシフトしてきていることです。

今後重要性が高まっていくのは、「与えられた問題を解く」ことから「自ら能動的に問題を発見する」ことになります。

顧客から、上司から、あるいは親会社から与えられた問題を速く正確に解くことが従来の教育でも会社でも求められた時代は終わりました。

問題が明確に定義できて、大量のデータがある世界ではAIやロボットでも(むしろその方が)問題解決は得意だと言えますからますますそのシフトは加速していくことになるでしょう。

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