2020.03.06
# 不動産 # マンション

「スラム化」しかけた千葉のマンションが、奇跡の復活を遂げるまで

団地型マンション、再生のヒント
山岡 淳一郎 プロフィール

転機になったアンケート

胸をどきどきさせながら団地の敷地に入り、思わず「はぁー」と見とれた。27棟がしっかり立ち、改修、改築がなされ、見違えるようにきれいになっていた。団地は、文字どおり「再生」されていた。

現在の稲毛海岸三丁目団地(著者撮影)

転機は2009年、「団地再生のためのアンケート」の実施だった。

稲毛海岸三丁目団地管理組合法人の代表理事兼理事長の久保田博さんが語る。

「いつまでも建て替えに引きずられていると修繕が中途半端になる。これではいけない。管理組合に再生検討委員会を発足させ、全区分所有者に建て替えか、修繕して住み続けるか、アンケートをとりました。

当時、団地内に住んでいる所有者が約6割強。外に住んでいる所有者が4割弱。全体で73%が定住希望です。そのうえで建て替え57.2%、修繕42.8%でした。

この比率ではとうてい建て替えは無理です。定住して終の棲家にしたい人が多数を占めているのだから、修繕でやっていこう、と白黒つけました」

久保田さんたちは、建築コンサルタントを入れて「築後70年」を目標に長期修繕計画を立てる。建て替えも再調査した結果、「還元率(無償で手に入る新住戸の面積の割合。旧住戸の広さへの比率)」は60%と試算された。48㎡に住む人は、自己負担なしなら28㎡の広さしかもらえない。建て替えの現実味は薄れた。

 

やや専門的になるが、向こう10年間で14億円を投じ、地上波BSデジタルへの対応、電気容量の50Aアップと幹線改修、給水方式の変更と給水塔解体、屋外汚水本管の更新、外壁塗装・屋上等の防水工事などを行う長期修繕計画を策定する。それに合わせて修繕積立金の月額平均4000円(50%)の値上げを決めた。

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