2020.03.06
# 不動産 # マンション

「スラム化」しかけた千葉のマンションが、奇跡の復活を遂げるまで

団地型マンション、再生のヒント
山岡 淳一郎 プロフィール

2017年から管理組合は団地に若い世代を呼び込む「空き家対策事業」にも乗り出した。管理組合が団地のなかの空き家の所有者から売り出しの相談を受けたら、住宅管理企業のJS日本総合住生活にその情報を伝える。JSが空き家を買い取り、スケルトン状態にして賃貸用のリノベーションを行う。その際、NPOちば再生リサーチが入居希望者のDIY手法による改修を指導するというものだ。

若い世代のDIYリノベーションへのニーズは高く、すでに空き家14戸が洒落た賃貸住戸に変わり、すべて入居している。建て替えはイバラの道で頓挫したけれど、「築後80年」までもたせる再生策は好循環に入ったようだ。

国は「建て替え」を推進

しかし、こうした修繕の成功例がある一方で、多くの「団地型の分譲マンション」に、建て替え、再開発の強風が吹きつけている。

今年2月半ば、国は、ある改革方針を決めた。マンションの建物と敷地を一括売却するのに、これまでは区分所有者の「全員」の合意が必要だったが、その割合を「5分の4」に引き下げる方針を固めたのである。従来は、耐震不足のマンションにのみ認められていた「5分の4」の合意基準を老朽マンションにも当てはめた形だ。

さらに団地の敷地を分割して、建て替えたり、土地を売却したりするのも全員合意によらない制度をつくるという。

国土交通省は、今国会にマンション建て替えに関する法律の改正案を提出し、「建て替えの選択肢を広げて、老朽マンションの再生」につなげたいとしている。

 

複数の棟で構成される「団地型マンション」は、全国で約5000団地、200万戸。その約8割が三大都市圏に集まる。築後40年超が約1600団地に上る。

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