武漢肺炎と中国・韓国・北朝鮮
SARSが、共産主義中国がWTOに加盟した直後の景気拡大期に発生したのに対して、武漢肺炎が、米中貿易戦争をきっかけに経済的矛盾が噴出した時期に出現したことは、1月28日の記事「『コロナウイルス大流行』が貿易戦争完敗の中国にトドメを刺すか」)や、2月12日の記事「中国・習近平が恐れている、武漢肺炎とSARSの『大きな違い』」で述べたとおりだ。

したがって、武漢肺炎が収束すれば中国経済が回復するなどと考えるのは大変危険だ。
今回のウィルスの拡散はあくまで導火線であり、早期に収束しようとそうでなかろうと、これまでの共産党一党独裁の矛盾が表面化するのは避けられない。
もちろん、左派の文政権になってから、北の共産主義一党独裁を思わせるような志向を強める韓国や、元々強烈な一党独裁国家である北朝鮮も道ずれになるはずである。
投資の神様が「中国売り」をしたワケ
投資の神様ウォーレン・バフェットは未来を予測できないと述べるが、それはピンポイントで、「何月何日にこれこれが起こる」という予想ができないということである。
例えば彼は、建国以来の米国の歴史を引っ張り出して、「紆余曲折はあるだろうが米国の将来は明るい」と繰り返し述べている。一般投資家に「手数料の安いS&P500などのインデックスファンドの購入」を勧めるのも、長期的な米国の発展を確信しているからだが、これは「超長期予想」と呼んでもいいだろう。
「短期の動きは予測不可能だが、長期のトレンドを見つけることは可能だ」ということは、複雑系のバタフライ効果を例として2月3日の記事「目先の株価にバタつくな!バフェットの神髄は『機が満ちるまで待て』」で述べた。
その意味で、2008年に発刊した著書「韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか」(講談社)で述べた様に、バフェットがペトロチャイナ株を2007年にすべて売却したことに改めて注目すべきだ。