すしざんまいが初セリで本マグロを買う理由
しゃぶしゃぶ祭りの期間、木曽路ではテレビコマーシャルなどで来店促進の宣伝を行うのですが、広告代理店やテレビ局などに支払うコストだけが広告宣伝費ではなく、顧客還元で大盤振る舞いする分も計画上は広告宣伝費と考えられています。
「広告宣伝費」と会社が割り切っていること。これが異常にお得になる理由です。
この具体例として一番わかりやすいのが毎年1月に行われるまぐろの初競りで、すしざんまいの社長が行う大盤振る舞いです。

今年は大間のまぐろをすしざんまいが1億9000万円で競り落としました。そのまぐろはさっそく解体して全国のすしざんまいチェーンで提供されました。
すしざんまいを経営するつきじ喜代村の木村清社長によれば、計算上一貫あたりの原価が2万円になるこのまぐろを、通常価格の大トロ398円、中トロ298円、 赤身158円で提供したといいます。
そしてこのニュースをみなさんご覧になったと思います。実はすしざんまいはテレビコマーシャルをしないチェーン店として知られています。でもこの大盤振る舞いのおかげで結果としてみんなニュースとしてすしざんまいを知っている。つまり1億9000万円で競り落とす大盤振る舞いはそのまままるごと広告宣伝費だと考えていいのです。
そしてライバルであるあきんどスシローの年間のテレビコマーシャルが20億円だということを考えると、一貫2万円のすしを298円で提供してもコマーシャル並の話題になることで十分にもとがとれている。
だったら消費者としてはこの大盤振る舞いに乗ったほうが正解だということです。なにしろ原価が一貫2万円のまぐろの寿司は銀座で食べたら2万円以上するわけですから。