2020.04.01
# 中国

「食用野生動物が新型コロナ発生源」は中国政府の捏造か

秘密の事情があるのだろうか…
北村 豊 プロフィール

今になって外交部が米軍持ち込み主張

中国政府は新型コロナウイルスの発生源を「野味」だと決めつけたにもかかわらず、3月12日に中国政府「外交部」報道官の趙立堅は中国では禁止されているはずのツイッターを通じて、「新型コロナウイルスは米軍によって武漢へ持ち込まれた」とまるで根拠のない話を中国語と英語で発信した。

また、中国政府「国家衛生委員会」のハイレベル専門家チームを率いる医師の鐘南山は3月18日の記者会見の席上で、「新型コロナウイルスの感染は中国で発生したが、感染源が中国とは限らない」と述べ、それぞれ国際的に物議をかもした。

こういうのを二枚舌、三枚舌と言うが、これでは新型コロナウイルスを感染させた元凶と断定された野生動物、すなわち、犯人候補として名指しされたハクビシン、「穿山甲(センザンコウ)」、「銀環蛇(アマガサヘビ)」、「中華眼鏡蛇(タイワンコブラ)」、「中華菊頭蝠(キクガシラコウモリ)」は「文句」の1つも言いたいだろうし、「野味」取引禁止の直撃をまともに受けた野生動物食用養殖業界およびその従業員は生活の糧(かて)を脅かされて、たまったものではないだろう。

 

上述した内容から考えられるのは、中国政府が18年前のSARSの時にハクビシンをコロナウイルスの発生源と決めつけたのと同様に、「野味」が新型コロナウイルスの元凶だと決めつけることは、中国政府にとって既定の路線だったのではないかという疑念である。

その背景にはそうせざるを得ない隠された秘密の事情があったと思うのは筆者だけだろうか。

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