イタリアの後を追うスペイン
1月末、スペインのアフリカ沖、カナリー諸島のホテルで初めてコロナ感染者がみつかり、ホテル客1000人が検疫下となった。
筆者がスペインに住む友人とメールのやりとりをしたのは2月中旬ごろ。「スペインは連立政権が成立したばかりでコロナどころじゃないの」と返事があったのは2月19日であった。
その日、イタリア・ミラノでは、サッカー、欧州サッカー大会UEFAの準々決勝で、イタリアのアトランタ・ベルガモのチームとスペインのヴァレンシアのチームが対戦した。
ベルガモは現在、一番多くの死者を出している小さな街だ。ベルガモからミラノまでは車で1時間ほどの距離で、ベルガもからミラノへ行った観戦者は数知れない。スタジアムには無症状・軽症のコロナ感染者が混じった観客、4万4000人が熱狂した。
さらに3月10日にはイタリアのチームがスペインのヴァレンシアで対戦。FCヴァレンシアの選手のうち、35%が感染した。

一方、スペインの首都、マドリードでは3月8日、ウィメンズ・マーチの集いに10万人が参加したという。デモに参加したサンチェス大統領夫人が感染したほか、大臣も数人、感染してしまった。いまやスぺインの感染者の半分がマドリードに集中しているという。
コロナ感染への準備を怠り、およそ6週間が過ぎてしまったスぺイン。現在、スペインは、「イタリアの1週間前の状態」といわれ、イタリアの次に死亡者数が多い。
スペインでも医者をはじめとする医療関係者の10%以上が感染してしまった。高齢化と無縁ではないスペインでは人口の5分の1が65才以上であることから、今後、死者の増加は続くことであろう。