『半沢直樹』で描かれた、メガバンクと国税…仰天の仁義なき戦い

ドラマ開始までの予習に!

銀行内部の不正を描く『半沢直樹』。2013年にドラマ化され社会現象となり、今年続編の放送も決定している。「半沢」シリーズの魅力といえば、金融業界の泥沼な権力争いの描写。だが、実際のところはどうなのか――。元メガバンク支店長であり現在は講演活動を中心に活躍する菅井敏之さんに解説してもらった。

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菅井敏之(すがい・としゆき)
1983年、学習院大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。個人・法人取引や、プロジェクトファイナンス事業に従事し、03年に金沢八景支店長、05年に中野支店長に就任。48歳で銀行を退職。現在は不動産賃貸事業にも力を入れ、全国の講演会で活動、テレビ・ラジオ等にも多数出演。40万部を突破した著書『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム刊)の最新刊が4月発売。公式HPはこちら
 

銀行は人間の本性が出やすい場所

――菅井さんは1983年、半沢直樹より6年前にメガバンクに入行されました。

今はもっと雰囲気が違うのかもしれませんが、私が働いていた時は、『半沢直樹』作のような雰囲気がありました。銀行はお金を扱うから、人間の本性が出やすい場所。もともと上昇志向の強い、高学歴な人間が集まりやすい。

半沢のような熱いハートを持ちながらクレバーでもある人はほとんどいませんが、半沢の務める大阪西支店の浅野支店長のような、結果を出したいがリスクは負いたくない、という人は普通にいました。

そういった人間の権力争い、関係性はドラマが生まれやすい。

実際、浅野支店長の強引な指示で5億円を融資した西大阪スチールは、わずか3か月で倒産してしまいます。この融資を半沢1人に押しつけようとする浅野支店長。そんな状況の中、「国税の査察調査」が行われます。国税の登場以降、半沢は急いで西大阪スチールの東田社長を探し出そうとします。

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