外出自粛中のラーメン通たちを救う存在…?「宅麺」とは何者か
その勢いはウーバーイーツ以上か即席麺では難しい「お店の味」
お店の味が自宅で楽しめたら――そんな希望を叶えてくれるのが、グルメイノベーション(株)が運営する、「宅麺.com」(以下、宅麺と表記)。ラーメン店から冷凍便で直接ラーメンが送られてくる宅配サービスだ。
このようなサービスが認知されるようになって、たかだか10年ほどしか経っていない。しかし、それまでは斯様なニーズがなかったわけではない。過去には様々の商品が試行錯誤され、それは今なお続いている。
では、どうして宅麺といったサービスだけが、ことラーメンにおいては広まったのだろうか?

自宅で食べられるラーメンといって、真っ先に思い出すのがカップ麺や袋麺といったインスタントラーメンだろう。コンビニやスーパーに行けば、“名店の味”などと称して、お店の味を掲げた商品が棚の多くを占めている。また、有名ラーメンチェーンでは、店頭でテイクアウト用に即席麺を販売しているケースも多い。
しかし、そうしたものを食べて「お店と同じ味だ」と思えることはまずない。良くて「結構寄せてるね」とか「よく出来てる」といった、企業努力を讃える言葉が出てくる程度だ。
そこには、即席麺が絶対的にお店で作った味に勝てないという大前提があるから、食べる側は推し量って味を判断している。
そうした大前提がなぜ植え付けられているのか。それは過去、お店の味を謳ったカップ麺などを幾度となく食べて、全くお店と同じ味なんてあり得ないことを学習しているからだ。と同時に、単純にお店で一杯600~800円するラーメンが200円そこそこで食べられたら、お店は商売上がったりだということも分かっている。