世界が驚く「日本のマスク習慣」最初に広めた意外な人物をご存知か

明治時代に黒マスク普及、一体なぜ?
田中 ひかる プロフィール

「マスクをかけぬ 命しらず!」

マスクが広く世間に認知されるようになるのは、大正時代のスペイン風邪(インフルエンザ)流行当時(1918年~)である。

このとき率先してマスクを着用したのが、かつて松本が軍医総監を務めていた陸軍だった。警視庁もすべての警察官にマスクを着用させている。今も残る当時の写真には、白いマスクをつけた人と黒いマスクをつけた人の両方を見ることができる。

当時、内務省が作成した「流行性感冒(インフルエンザ)」予防のための啓発ポスターには、家庭で黒マスクをつけた妻が夫を看病する様子や、混みあう電車内で黒マスクをつけている乗客たちの様子が描かれている。後者のポスターには、「恐るべし『ハヤリカゼ』の『バイキン』! マスクをかけぬ 命しらず!」という言葉が添えられている。

『流行性感冒』(内務省衛生局編)

その後、インフルエンザが流行するたびにマスクの需要が増え、戦後1950年代にはそれまでの布マスクに代わりガーゼマスクが、1970年代には不織布マスクが登場、その後もマスクは進化を続け、今日に至る。

新型コロナウイルスの感染予防対策として、4月17日から「アベノマスク(布マスク2枚)」の配布が始まった。連日テレビに映る安倍首相や麻生副総理、加藤厚労相らの違和感だらけのマスク姿が、マスク着用の足枷とならないことを祈るばかりだ。

 
【参考文献】
・内務省衛生局編『流行性感冒 「スペイン風邪」大流行の記録』平凡社
・一般社団法人北多摩薬剤師会ウェブサイト
https://www.tpa-kitatama.jp/index.html

関連記事