野球界から暴力が消えないワケ…「監督崇拝」という危うさ

宗教学者・島田裕巳が語る
元永 知宏 プロフィール

成功体験、つまり甲子園で優勝したり、上位まで勝ち上がった実績があり、名門や強豪と呼ばれる高校ほど、ルールを変えるのは難しい。修行期間を終えた者からすれば、後輩いじめも「既得権」になってしまう。規律を緩めれば、組織の結束が弱まると思い込んでいる者もいる。

「日本の社会もこれだけ暴力に厳しくなっているのに、どうして野球だけには寛容なのか。メディアの報道もそうですよね。どうして野球にだけ甘いのか。つくづく野球界は巨大な閉鎖社会だと感じます」

 

春のセンバツは毎日新聞、夏の甲子園は朝日新聞が主催して行われる。どちらの大会も、NHKが1回戦から決勝戦まで全試合生中継を行う。年間を通じて新聞記者が強豪野球部に張り付いているのに、指導者の暴力や部内のいじめを告発することはない。

〔PHOTO〕iStock

国民的なイベントとなった甲子園大会、それを美化して報道するメディア、「甲子園のスター」を指名するプロ野球の球団。さまざまな矛盾を含みながら、暴力的な指導や部内いじめにふたをしたまま、野球界は進んでいくのか。

「本当であれば、過去までさかのぼって考えるべき問題でしょうね。日本の野球はいつまで経っても、国際基準にはなりえない。あまりにもいろいろなものが絡まってしまっているから」

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