2020.04.27
# 文学 # 社会

新型コロナをめぐる、日本人の危機意識の「ばらつき」について

現実となった『首都感染』②

このころ、僕にとっても多くのことが起こった。

3月2日、岡山で母の法要と納骨があった。岡山県はまだ感染者はゼロで、表面上はコロナ騒ぎはほとんどなかった。町でも、マスクをしている人はほとんど見られない。

このとき、中学2年生の孫に会った。彼はインターナショナルスクールに通っている。学校は休みになっているが、週明けから、パソコンを使ったオンライン授業を受けるという。宿題も出て、忙しくなりそうだと言っていた。日本では4年計画で小中高校生に、一人1台のパソコンを導入する計画がある。しかし、遅かったわけだ。

8日の日曜日に、雑誌「FRIDAY」の取材を受けた。『首都感染』についてだ。

取材はトータルビューティー・プロデューサー、アケミ・S・ミラーさんの計らい
で、大阪の彼女のスタジオで行われた。アケミさんは、長年ニューヨークで活躍したファッションデザイナーで、トランプタワーに住んでいたという。アメリカの多くの著名人と知り合いだ。

ハリウッドプロジェクトを話すと、協力を約束してくれた。彼女の知り合いの中に、ハリウッド関係者がいるという。ジョージ・マーシャル・ルージュ。『紅い砂』の英語版ができた段階で、送ってくれるという。

彼の名前も知らなかったが、帰って調べると、「ロード・オブ・ザ・リング」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ロボコップ」などのアクション監督だ。プロデューサーともある。

このころから、『首都感染』についての取材が入り始めた

10日には、『首都感染』の映画化の話を持ってきた二人に連れられて、東京に行った。新宿の高層ビルで、ある有力者に紹介された。

近くの本屋さんに行ったが、『首都感染』はなかった。そのころ、本屋さんには、ほとんど見られないというメールや電話が相次いでいた。17日に、12刷1万部が出来ることを伝えた。

18日に『紅い砂』のショートフィルムを作ってくれる夜西監督さんと、最終打ち合わせをした。彼とは2年前、『スティール・アンジー』という彼の監督作品の試写会で会っている。すでにアクションを主体にした映画を2本撮って、いくつかの賞を受賞している。ニューヨークで表彰されている写真を見て、羨ましいと思っていた。

彼に『紅い砂』のテーマやストーリーを説明した。昼過ぎからお互いの夢を夜の12時近くまで話した。

やっと、「ハリウッドプロジェクト」が動き始めた。僕の頭はハリウッドでいっぱいだった。

そんなときにも、「新型コロナウイルス」は日本に、そして世界に広まっていた。

世界の感染者数約18万人。 都内と名古屋市で感染者数100人を突破し、日本国内の感染者数約1600人になっていた

アメリカの娘や友人から電話があったが、日本の状況を心配する方が多かった。

〈第3回へ続く〉

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