やるべきことを先延ばしにする「先延ばしグセ」がある人には、ADHDの人が多い、と言われます。決して怠けるつもりはないのだけれど、時間配分が下手だったり、やるべきことの優先順位を「好き or 嫌い」で決めてしまったりします。特性だから仕方ない? いえいえ、特性や傾向にあわせて、「すぐやる」ことができるようになるのです!
ADHDの人に見られる「先延ばしグセ」を克服する”やる気マネジメント”があると聞き、その概要をのぞいてみました。
やるべきことを始められない「先延ばしグセ」とは?
仕事や家事など、やるべきことがあるのに、なぜか始められない。周囲の人からは「だらだらして、やる気がない」と見られ、「なぜ始められないのか」「やる気を出せ」などと言われてしまう。そう言われても、「やろう」「やらなくては」という気はあるのですから、困ってしまう……。
そんな経験のある方、いらっしゃるのではないでしょうか?
ADHDの傾向がある人は、やりたいことがあるとすぐに、次々とやってしまう一方、やるべきことをずるずると先延ばしにしてしまうこともあります。いわゆる「先延ばしグセ」です。
そのため「好きなことはさっさとするくせに、やるべきことはやらずにわがままで、自分勝手だ」といった評価を受けてしまいます。
物事を次々にやってしまうか、先延ばしにしてしまうかを分けるのは、それが「好き」なことか否か。「好きなこと」ならどんどんやれる。けれど「好きではない、やるべき」ことは始められない。さらに、自分の先延ばしグセを自覚していると、それが足かせになって、余計に先延ばししてしまうこともあるようです。
こんなことありませんか?
- 衣替えや寝具の季節がえを先延ばし
- めんどうでもなにもせず、朝方の急な気温の低下で、風邪をひいてしまった
- 振り込み手続きを先延ばし
- 引越し後に手続きをせず、電気やガスを止められてしまった
- 仕事で、取引先への対応を先延ばし
- トラブルで取引先を怒らせたのに報告をせず、上司からの評価も低下してしまった

しかし、先延ばしグセは、たった4つのポイントを踏まえることで、「すぐやる」やる気に変えられるのです。
なぜ始められない? 先延ばしグセを分析してみる
まず、なぜ先延ばししてしまうのか、その理由を考えてみましょう。
もっとも多く聞かれる理由が「めんどう」というもの。やろうと思っても、スイッチが入らないと、「めんどう」「おっくう」と感じてしまい、やり始めることができません。
また、先のことより目の前の楽しさを優先するために、スケジュールや締め切りを考えないこともあります。過去の失敗を検証せず、先の計画も考えません。
やるべきことが多すぎて、どれから手をつけてよいかわからず、行動に移す前に時間ばかりが経って、やる気自体が失せてしまう、そんな人も多いようです。
こんな経験ありませんか?
- やるべきことがあるのはわかっていても、「めんどう」と感じてしまう
- 先のことより目の前の興味にひかれ、行動を起こす
- どれから手をつけて良いかわからず、考えているうちにやる気が失せてしまう

こうした傾向は、ADHDの人に現れる特徴と言われています。発達障害の原因は、脳の機能のアンバランスによると言われますが、ADHDの特徴には、やる気を行動に移す脳内のスイッチがうまく働いていないことがあります。
やる気を行動に移すスイッチを入れるのは、脳内の情報を運ぶ神経伝達物質の働きによりますが、ADHDではこうした神経伝達物質がうまく働いてくれないのです。
では、ADHDの人が、「やる気」を行動に移すにはどうしたらよいのでしょうか。「"すべき"を"したい"に変える」「マイ締め切りの設定」「やる気チャンスを逃さない準備」「頑張っている自分を褒める」という4つのポイントを守ることです。
このポイントこそ、〈やる気マネジメント〉です。