コロナ危機で大きく衰退する「先進国の末路」

欧米諸国の自壊と、排外主義の暴走
羽場 久美子 プロフィール

ワクチンの早急な開発、政治的リーダーシップの重要性

いま政治的に必要なことは、自由主義と経済資本主義が爆発的コロナ感染を世界に広げていく前に、可能な限り早期にワクチン開発ないし効果的な薬を見つけて、鎮静化させていく努力を続ける必要がある。

加えて、コロナから起こりうる、政治的・社会的・心理学的対立の危険性を知らせていくこと、人々の危機感を扇動する指導者を批判し続ける冷静な目を、まずメディア・知識人が、また市民たちが持つことである。社会の精神的連帯や相互信頼による自制という地味な作業が、コロナの感染危機を抑えていく。

アメリカのデモが暴動化・武力化して国内のアジア人を襲ったり、トランプがそれを背景にして、中国やWHO批判からエスカレートしそれが全米にうねりとなって広がる中、欧州では中国医療団がマスクや人工呼吸器を配布し影響力を拡大している。ロシアも同様に、軍の医療施設部隊を感染地に派遣している。

 

コロナを撃退するのはポピュリズムと自国中心主義ではない。

アメリカが世界の指導者としての地位を維持するためには、まずは自国の感染拡大と死者拡大を止め、中国に武力威嚇を行ったり同盟国の武器購入や軍事費の増大に圧力をかけたりするのではなく、国際協調と社会インフラ整備、世界の医療チームとの共同を実現していくことが結果的にコロナを撃退できることを理解すべきだ。

歴史的にも、暴走は始まったら止められないのだから。

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