米国政府のコロナ対策として打ち出した金融緩和・経済支援策が、規模・スピードの両面で史上最高レベルだったことに加えて、コロナ禍でヒト・モノが動けなくなってしまった状況をデータにより補完する動きが拡大し、その恩恵を最も広範囲にうけるITプラットフォーマーが米国に集中していたことが背景にあります。
週単位の値動き幅で見ると、下落時も上昇時も第二次大戦後の数々のマーケット混乱期を超え、大恐慌以来約90年ぶりの大きさとなる激しい値動きが続きました。市場参加者の将来的な値動き予想のばらつきを示すVIX指数(ボラティリティ指数)も、リーマンショックの際のピークを越えてこの指数が算出されるようになってから最大の値をつけました。
コロナショックで「稼ぐ人たち」の正体
株式や不動産以外の金融資産が大混乱に陥ったことも、リーマンショック時とは異なるコロナショックの特徴としてあげられます。
特に、債券マーケットの混乱が際立っていて、米国債や米アップル社の社債といったほぼ無リスクと考えられる優良資産まで、1日で価格が30%も値動きする異常事態となりました。

また、ロックダウンでガソリン需要が急減する一方、シェールオイル田の性質から減産が進まない米国では原油在庫が急増し、これ以上の保管が難しくなってきたことからWTI原油先物が4月中旬には史上初めてマイナスになりました。
世界中の投資家のほとんどがこうしたマーケットの混乱から損失を被りましたが、一部の抜け目のない投資家たちはこの混乱をうまく乗り切り、逆にリターンを上げています。