連絡が取れない子どもたちも

ここまでは盤石のように見えるオランダの自宅学習だが、やはり弱点はある。
報道によると、20%以上の小学校および中等教育校(中高一貫教育のようなシステム)に、連絡が取れていない生徒が存在するという。把握できているだけでも、5200人の子どもと学校は連絡が取れずにいて、その多くは難民だ。そういう場合、学校は電話やメール、テキストアプリの送信、多言語の手紙の送付など、様々な方法でコンタクトを試みるが、ほとんどが徒労に終わってしまう。

シリアをはじめとして、アフリカ大陸からもヨーロッパに多くの難民が押し寄せた。写真はユトレヒトで3月4日に開催された「ストップ難民危機」の集会 Photo by Getty Images

オランダ統計局の発表によると、2020年3月1日の時点で、オランダに住む人の24.4%が移民の背景を持っているという。そういった移民の多い国だけあり、親のオランダ語習熟度によって子供の自宅学習フォローアップに差が出てしまうのだ。中にはオランダ語のみならず、どんな文字も解さない保護者も存在する。そういう場合、「勉強」という概念すらないのかもしれない。

多くの教師は、そういったオランダ語が未熟な生徒の遠隔教育はほぼ不可能に近いと考えているという。

そういった生徒の教育も、何らかの工夫で取りこぼさずなされるべきだが、「だから遠隔学習は駄目」「失敗だった」と結論付けるのは拙速だと感じる。

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余談だが、筆者の家庭も「保護者のオランダ語が不十分な移民家庭」である(子供のオランダ語レベルは問題なし)。このコロナ休校期間中に、我が家もうっかりミスを犯した。筆者の子供はオランダの小学校の最上級生なので、基本的に毎日の課題の把握などは本人に任せている。けれど、筆者のスケジュール確認もれで子供が前述の「クラスのオンライン・ミーティング」を一度逃してしまった。それ以降は、教師が送ってくる課題に関するメールはじっくりと読み込み、子供とのダブルチェックを怠らないようにしている。