金村義明による野球解説動画「炎のベースボール解説」の第10回! 夏の甲子園優勝投手(1981年)であり、現役選手、解説者として38年間、プロの投手の投球を見てきた金村さんが選ぶ最高の投手は誰なのか! 挙がったのは、甲子園で対戦した怪物、デビュー戦できりきり舞いさせられた投手、そして、あのレジェンドたちの名前……。
浮き上がるボールにデビュー戦4打席4三振
——金村さんが実際に対戦した中で一番すごかった投手は誰ですか?
金村: 対戦した中では、槙原寛己(大府高校出身/元巨人)がナンバーワンです。
選抜大会の1回戦であたったとき、バッターボックスに立って、あんなに速い球を見たのは初めてでしたからね。
ところが、バットを短く持ってイチニノサンで打ったらホームラン打てたんで、勘違いが始まったわけです。
一回戦で負けたんですが、練習もあまりしてないのにまぐれでホームランが打てたんだから、「俺、もっと練習したら、もっとすごいバッターになれるんとちゃうか」と。あれが勘違いの始まりでした。
それ以外で強烈に印象に残っているのは、プロに入って1年目ですね。
ジュニアオールスターでサイクルヒットを打って、初めて一軍にあげていただいて、日生球場での西武戦。松沼弟(雅之)さんが先発で出られてて、3打席連続三振でした。
軽いフォームで、江川さんのような感じとはまた違いますけど、本当にボールが浮き上がってくる感じがしました。手も足も出なかった。
4打席目に、サイドスローの小林誠二さんが出てきた。シンカーでしたかね。4打席連続三振!
ジュニアオールスターには、当時、観客もたくさん入っていました。そこで活躍できたので、ちょっとした自信を持って一軍に上がったんです。ところが、初打席から4打席4三振。忘れもしません。