コロナ調査でわかった「家族関係が良くなった人、悪くなった人」

在宅勤務緊急調査報告(2)
落合 恵美子, 鈴木 七海 プロフィール

家族関係が良くなった

「良かったこと」として最も多く言及されたのは、配偶者や子供のいる人では「家族関係」、いない人では「通勤時間」だった。

このパターンは男女とも同じだが、前者で「家族関係」が良くなったとする割合は男性が女性を上回り、子どものある男性では実に47%にのぼった。どうやら在宅勤務は(とりわけ男性に)幸せな家族生活をもたらすらしい。

「家族関係」が良くなったと言う男性が異口同音にあげているのが、「家族と過ごす時間が増えた」「家族との会話の時間が増えた」ということだ。

「夫婦の会話が増えた(笑)」というのもある。「夜の会食がなくなったので毎日家族全員で食事できるようになった」という男性の回答からは、仕事中心で夜もほとんど家にいられなかったこれまでの生活が浮かび上がってくる。それまでほとんど無かった家族生活というものを在宅勤務によって取り戻した、と言うのが、この方などの場合には正確かもしれない。

在宅勤務のお父さんは子どもとの関わりも増えた。ましてや子どもたちも休校や休園で家にいる。「デスクを作り、娘は勉強、自分は仕事をしながら対面で時間を過ごす時間ができたことで、会話が増えた」など、休校中の子どもに気を配り、貴重な機会を楽しむお父さんの笑顔が目に浮かぶ。

〔PHOTO〕iStock

では、「家族関係」が良くなったとする女性は何が良いと感じているのだろうか。

子供や家族と過ごす時間が増えたことをあげるのは男性と同じだ。それから「家族揃って食事を摂るようになった」ことも男性と同じ。夫婦とも在宅勤務になった女性は「平日一緒にゆっくり夕食を取れる(結婚して二十数年来、初めてです(笑))」と書く。

共働き夫婦はここまでワークライフバランスを犠牲にしてきたのかと思うと笑うより悲しいけれど、今の幸せが文面からにじみ出ている。

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