「ゲームだからこそ」の相乗効果
このように『あつまれ どうぶつの森』は、服・インテリアデザインなどプレイヤーの裁量が大きいゲームになっている。
プレイヤーの想像力があればいろいろな可能性が広がるし、自分でデザインを作れるのだから多くの人が作り手として参加できる。何かを作るのが苦手な人でも、誰かが提供してくれたデザインを使うだけでも十二分に楽しめるのだ。

現実では新型コロナウイルスで自粛生活が続くわけで、美術館や洋服店などに行くこともままならない。しかし、『あつまれ どうぶつの森』ならば家のなかにいながら葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を見ることもできるし、ハイブランドの洋服を眺めたり着ることができる。
海外企業としても、“Stay Home”しながら宣伝できるという意味で非常に理にかなっているだろう。
注目を集める理由はそれだけではない。『あつまれ どうぶつの森』がゲームであることも重要だ。
ゲームならば試したいことを手軽に挑戦できるし、気に入らなかったら戻すのも簡単だ。たとえ高級な服だったとしてもこのゲームならば気軽に試着できるし、より深く知ってもらえるだろう。『あつまれ どうぶつの森』でユーザーに洋服のデザインを提供することは、ただ名前を宣伝するよりも効果が大きいと思われる。