2020.05.21
コロナ禍のイタリア人がマンションの「バルコニー」で歌い踊る理由
「誰も音楽を封鎖できない」ストレスの特効薬は実は…
コロナ病によって自粛が求められ、私たちの生活は激変した。レストラン、ホテル、旅行、音楽、映画などエンターテインメントなどの活動は停止し、これらの関係者の仕事は激減した。ビジネスを継続できるかどうか、死活問題である。仕事のある人にしても、テレワーク(在宅勤務)のため人との交流が激減し、家に閉じこもることが多くなった。
感染の怖れ、仕事への不安が私たちにストレスをもたらす。もし、このストレスが長引き慢性化すると私たちの心身にマイナスの影響がおよぶ。それは、気分が落ち込みブルーになること、免疫力が低下し、ウイルスやその他の病原体による感染症にかかりやすくなることである。

慢性ストレスを解毒する特効薬は、実は音楽である。音楽の中でも過度に緊張した神経を鎮め、ブルーを解消し、心に喜びをもたらすものがよい。そんな音楽は私たちの遠い先祖が自然から与えられてきたものである。たとえば、落ち葉が風でカサカサ鳴る音、鳥の鳴き声、波の音、私たちのハミングする音、川の流れの音。
私たちの人生に多大な影響をおよぼす音楽は、ずっと以前から地球に存在してきた。約4万年前、内なる知性に導かれた人は最も原始的な楽器をつくった。鳥の骨やマンモスの骨からつくったフルートは、2008年、南ドイツにある石器時代の洞窟で発見された ※1。
では、ストレスは病気を引き起こす悪者なのか? そうではない。そもそもストレスは命の危機から私たちを救うしくみである。ストレスについて簡単に説明しよう。