コロナ時代には「紙とハンコ」の文化はヒトの命をおびやかす

進化が80年代で止まっている日本
野口 悠紀雄 プロフィール

マイナンバーより郵送が速い

マイナンバーが導入された。これこそ、紙とハンコの日本の役所のシステムを大改革してくれるものと思っていた。

そして期待通り、10万円の給付金は、マイナンバーを使えばネットで申請できることになった。ついに、日本でも、公的申請をネットでできる。日本にもやっとIT時代が訪れた!

ところが、自治体の手続きが混雑しているのだという。オンラインで申請する場合、誤って記入しても、申請自体はできてしまう。また、マイナンバを使うと何度でも申請できるなどという奇怪なことが言われる。当該自治体以外の住民が申請するケースもあるという。このため、情報が正しいかどうかを確認しなければならないのだ。

オンライン申請された情報を職員がダウンロードし、住民基本台帳と照合して、申請者の氏名や生年月日などに誤りがないかを目で確認しているという。

二重振り込みを防ぐため、給付を求める世帯員の住民票コードを手で入力し、振込口座情報は添付書類の画像と照合する。銀行名が旧名だったり文字間のスペースがなかったりすることも多く、1つ1つ修正しているという。処理できるのは週1000件程度だという。

こうした作業に忙殺される自治体職員の方が気の毒だ。

さらに、暗証番号やパスワードを忘れてしまったり、住所変更などでカードが失効していたりしている場合があるのだが、その手続きをするため自治体の窓口を訪れる住民が急増している。

 

杉並区では、給付金以外の目的も含め、マイナンバー関連の窓口に1日あたり約300人が訪れ、一時は4時間待ちとなることもあったという。

墨田区は、窓口を訪れた住民から必要な資料を受け取り、処理してから郵送する「預かり方式」で対応することにした。

「今後申請する場合はオンラインも郵送も給付時期は大きく変わらない」という。むしろ、郵送の方が手続きがスムーズに進むのだそうだ。

マイナンバー とはこういう時にこそ真価を発揮するものと思っていたのだが、実際には郵送より手間がかかる???

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