小池百合子のコロナ対策「1兆円の大盤ぶるまい」ツケは誰が払うのか

都知事選直前の「フリーハンド」を問う
松岡 久蔵 プロフィール

小池氏の「実績」とは?

以前から、筆者は小池百合子という政治家には、日本の政治家の中で最も「獣」という表現が似合うと考えてきた。

世間の風向きを動物的な嗅覚でかぎ分け、自ら仕掛けて政局を作り出すセンスは抜群だ。現に都知事になったのも、都民ファーストの会が、自民党と旧民主党のような既存勢力に不満を持つ都民の不満を救い上げたことによるものだ。

小池氏の政治手法の本質は「仮想敵を作る」「キャッチ―な発言を繰り返し、短期的に有権者を引き付け続ける」というポピュリズムの常道で、その切れ味は誠に鋭い。問題は、インパクトこそあれど、実質的な成果を有権者にもたらしてこなかった点だ。

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振り返ってみれば、彼女が政治家になって成し遂げた成果といえば、2005年の環境相時代のノーネクタイ「クールビズ」が有名だが、ほかに特筆すべきものはないといっていい。

都知事になってからも、「満員電車ゼロ」「時差出勤」という働き方改革に関して、掛け声こそ大きかったが目立った成果は上げられなかった。先述の築地の移転問題も、市場関係者をかき回した挙句、築地市場は潰すが売却もしない、という玉虫色の結論となった。

獣は獲物を仕留めて平らげた後、骨を残してただ去るだけである。小池氏には勝利して成し遂げたいことは元々ないのだ。権力を掴むためなら特定の地位や職責に固執しない点も、実に動物的だ。

筆者が取材した、小池氏をよく知る複数の都政関係者は、一様に「本音のわからない人」という評価を口にするのが印象的だった。思うに、「本音=政治家として実現したいこと」を実現することではなく、常により高い権力の座を狙うことだけが、彼女にとってのモチベーションなのだろう。

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