カイロ大学の深い闇…小池百合子が卒業証書を「出せない」理由

「捏造」が当たり前の驚くべき実態

「学歴詐称大国」エジプト

小池百合子東京都知事は、自身の学歴詐称疑惑に関して、ほとんど説明らしい説明をしたことがない。常に言うことは「卒業証書も卒業証明書もある。カイロ大学も卒業を認めている」だけだ。しかし前回の記事で指摘したとおり、その肝心の卒業証明書と卒業証書の提出を頑なに拒否しているというのであるから、お話にならない。

そしてカイロ大学が認めているというのも、きわめて怪しげな話である。

カイロ大学を含むエジプトの国立大学では、小池氏が卒業したと称しているサダト大統領の時代(1970~81年)から現在に至るまで、不正な卒業証書の発行が行われてきた。

エジプトは、「腐敗認識指数」で世界180ヶ国中105位(ランキングが低いほど腐敗度が高い)という汚職や不正が横行する国である。大学の卒業証書など、カネとコネでなんとでもなる。このことは、カイロ大学の学長も2015年にテレビで認めている。

カイロ大学(Photo by gettyimages)
 

エジプトにおける不正卒業証書の発行は、大学ぐるみのもの、教授や職員が関与して行うもの、外部の業者が大学の職員に手伝わせて行うものなどいくつかのパターンがある。

エジプトでは有力政治家が「この人間を卒業したことにしろ」と言えば、そうなるのは当然のことと受け取られている。筆者は5回の現地調査で、数多くのエジプト人に会ったが、このことを否定する者は誰一人おらず、現地では “社会常識” だ。国立大学の偽卒業証書で医者をやっている人間が複数いることも確認されている。エジプトとはそういう国なのだ。

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