「高リスク銘柄」から先に買われている…
この環境下で、足元では「世界景気の後退観測で敬遠されていた銘柄」の急反転、いわゆる低クオリティ株相場が発生している。
以下の図は、過去1週間の日米の主要なファクターリターンを見たものだ。
図:過去1週間の日米のファクターリターン

拡大画像表示出所 :Datastream
見方としては、PER、PBRなどのバリューは、低PER、低PBRの銘柄を買って高PER、高PBRの銘柄を売った場合のロングショートのパフォーマンスとなる。
同様に、成長性は高い銘柄を買って低い銘柄を売り、リバーサルは過去の期間ごとに低リターン銘柄を買って高リターン銘柄を売り、リスクは高ボラティリティ、高ベータなどの高リスク銘柄を買ってその逆の低リスク銘柄を売った結果のリターンである。母集団は日本がTOPIX500、米国はS&P500指数の構成銘柄だ。
ファクターの傾向としては典型的なリスクオンだが、特徴はグロースおよびクオリティがしっかりと売られていることと、バリューよりもリバーサルが強く出ていることだろう。
また、米国では特にベータなどのリスク・ファクターも強烈に買われていることが分かる。
これは、企業の財務やファンダメンタルズから割安性を見るバリューよりも、単純に過去数カ月間に下落した銘柄が需給的な要因でそのまま反転し、特に財務やマーケットリスクが高い銘柄から率先して買われていることを意味している。