ALSとはどんな疾患なのか?
「名無しの権兵衛病」の正体を突き止める!
この思いで突っ走ってきた半年余りを経て、ようやく病名を突き止める事が出来ました。
病名は「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」でした。
さぁ、もう名無しの権兵衛病ではありません、これからはこのALSをどのように治療していくかになるはずです。
ところが、この病気は思っていた以上に厄介な病気なのでした。

「最終的には筋肉が動かなくなる」
検査入院でALSであることを診断してくれた主治医は、たくさんの資料を渡してくれました。そしてどのようにしてこの病気だと確定するに至ったかを、長い時間をかけて説明してくれました。この時に「病名を絞るには90%以上の確証をもってして告知できる事、それでもまだ100%ではない事」なども話し、今後の経過観察も大切であると伝えられました。
そしてALSの説明に関しても「難病」というカテゴリーの話から、10万人に数人の患者数であり、現状で1万人余りのALS患者がいるという現状の話をされました。
では、ALSとはどのような病気なのでしょうか?
医師からはこう告げられました。
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。大きく分けると上肢から始まるタイプや下肢から始まるタイプが多いです、津久井さんは下肢から始まるタイプであると思われます。
筋肉が動かなくなるので筋肉の病気と思われがちですが、そうではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経『運動ニューロン』が障害をうけて症状が出ているのです。どういうことかと言うと、脳から『手足を動かせ』という命令が伝わりにくくなることにより、力が弱くなり、その結果筋肉がやせていきます。ものすごい個人差があるのですが、最終的には全身の筋肉が動かなくなります。しかしその一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などは概ね正常に保たれることが認められています」
この話の後、自宅に帰ってから自分でもネットで調べてみると、
「早ければ3年くらいで意識があるままに体が動かなくなり死に到る疾患である」
と記されていました。