コロナショックで、日本の「都市計画」「まちづくり」はこう変わる

コンパクトシティのゆくえ
饗庭 伸

空間の「再配分」

1)困っている仕事に空間を再配分する

COVID-19によってリモートワークはすっかり浸透したように思われる。その一方で、医療、福祉、小売、飲食、教育といった、リモートではできない、たくさんの仕事の危機もあぶりだされた。これらは都市の暮らしと仕事を支える必要不可欠な仕事である。

運転資金が不足した、通信の手段が不十分だ、専門家が不足している、といったたくさんの問題を解決しなくてはならないが、都市計画ができることは「これらの仕事が行われる空間の密度を下げる」という問題を解決するための、空間の暫定的な再配分である。

例えば、通常の半分の客席数で営業せざるをえない飲食店に、同じだけの座席を街路上に準備する、密度を落として勤務せざるをえないケアワーカーの執務スペースとして、商店街の空き店舗を開放する、といったことである。近年公園や路上や水辺などをオープンカフェなどに転用していく取り組み、あるいは空き店舗や空き家を地域の公的な空間へと転換していく取り組みが各地で進められていたが、空間の再配分はそのスキームを使って実現できることである。

海外には屋外の席を備えた飲食店が多い〔PHOTO〕iStock
 

2)公共施設を再配分する

1)は空間の暫定的な再配分であるが、より長期的には病院、教育施設、鉄道駅といった、ハコモノの密度を下げるために公共施設を中心とした空間資源を再配分することも求められよう。人口減少が始まった自治体では公共施設の管理計画をつくり、1960年代、70年代につくられたものを中心に合理化を進めていたが、今後はその計画は見直さざるをえないだろう。

例えば壊される予定だった小学校の校舎を、教室の密度を下げるためのリザーブ校舎としてとっておく、病院の近くにある古びた市民センターの建物を、感染者が増えたときのリザーブ病室としてとっておく、駅前の広場を電車に乗るときの待合空間としてリノベーションするといった取り組みである。

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