コロナショックで、日本の「都市計画」「まちづくり」はこう変わる

コンパクトシティのゆくえ
饗庭 伸

自転車の活用

3)安全・安心の小さな空間を埋め込んでいく

江戸時代の東京は、町ごとに木戸が設けられ、そこで治安がコントロールされていたことで知られている。それは近代化の中で消えてしまい、私たちの住宅も職場も都市と直接的につながってしまっている。もちろんそれは「自由」ということなのであるが、COVID-19が起きてしまった現在の目でみると、あまりにも無防備に、不特定多数が行き来する危険な空間にさらされている。

塀に囲われた「ゲーテッドシティ」と呼ばれる住宅地の形態は、海外では珍しいものではなく、例えばお隣の中国では社区と呼ばれる住宅地の単位ごとにゲートが作られているが、日本にはあまり受け入れられなかった。すでに出来上がった都市空間に新たに物理的な木戸を設けることは難しいかもしれないが、例えばそのまちの人が習慣的に立ち寄り、感染症についての情報を得たり、必要な物資を得たり、自分の状態を確かめたりできるような小さな空間を都市の中に埋め込んでいけないだろうか。

 

4)公共交通と自転車、自動運転

都市を構成するもののうち、感染症の影響を大きく受けるのが公共交通であろう。コンパクトシティ政策の中で、自家用車から公共交通へと交通手段を転換する政策が進められていたところであるが、COVID-19によってその流れは断ち切られた。イタリアのミラノでは、ポストCOVID-19の都市計画として、自動車レーンを自転車レーンへと切り替えていく政策が提案されているという話も聞こえる。

〔PHOTO〕iStock

公共交通が使えなくなったため、多くの人は個人的な移動手段に移行する、しかし全員が自家用車に移行してしまうと道路があっという間にパンクしてしまう、移行するならば容量が小さい自転車へ、という考え方であろうか。このように路面という公共空間を再配分して移動手段の変化を促進するという方法は重要なものであろう。

一方で、公共交通の内部の密度を下げ、運行の密度をあげていくという方法もあるだろう。そうなると運転手不足を解決するために、いよいよもって公共交通の自動運転化ということになる。鉄道はともかくとしてバスの場合、道路が入り組んだ日本の既成市街地には自動運転を導入することができないので、骨格的な幹線道路のネットワークの路面を再配分して自動運転車を導入しいく、ということになるのではないだろうか。

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