コロナショックで、日本の「都市計画」「まちづくり」はこう変わる

コンパクトシティのゆくえ
饗庭 伸

マネジメントをどう進めるか

こういったことを実現していく、マネジメントの進め方について最後に考えておこう。感染症という挙動がよくわからない現象に対して、どういうデータをあつめ、それをもとに誰が計画をつくり、決定し、実現していくかということを考えなくてはならない。

空間のマネジメントのための情報は、コンパクトシティ政策を推進するために、自治体を中心にして集積されつつあった。ほとんどの自治体で、どこにどんな施設があるのかという「公共施設の台帳」がつくられた。空き家の実態調査を行っていた自治体も少なくなく、公共交通のデータも集積されていた。空間を合理化するために集められていたデータであるが、結果的に空間や公共施設や公共交通を再配分するための基礎的な情報として使うことができる。

 

これらに現在起きていることがら、例えば感染者の分布、クラスター発生の空間的な特徴、医療や福祉施設の利用実態、公共交通の利用状況、飲食店の営業実態などのデータを重ねあわせることによって、どのように空間の資源を動員していくのかについての作戦を練ることができる。

誰がその計画をつくり、実行に移していくのだろうか。COVID-19でいみじくも明らかになったのは、政府と個人が直接に繋がりすぎている、ということである。筆者が暮らす東京に限ったことなのかもしれないが、マスクの配布一つをとっても町内会や自治会はそこに関与していないし、こういった組織が地域の状況をとりまとめて政府に報告する、そして自分たちで何らかの対策を実践するといったことも行われていない。戦後の日本社会が、こういった地域における自治の仕組みを徹底的に弱めてきたからである。

関連記事