デモに紛れて破壊活動をする人たち

2)破壊者( Vandalizer )

一方、デモに紛れて、夜間に破壊行動をする人間たちがいる。
彼らは破壊行為をするために参加していて、わざわざバールを用意してウインドウを壊したり、火炎瓶を投げつけたり、投石したりする。
その目的は、とにかく暴力的な行為をしたいということであったり、アナーキストであったり、あるいは下記で説明する扇動者であったりする。

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この暴動の写真のようすを撮影したフォトグラファーのヴェロニカ・ケーリックさんによると、彼女は昼間のプロテストに参加し、3時間無暴力のマーチで歩いたという。
夜いったん家に戻ったあと、騒ぎが起こってカメラを持って駆けつけた。ワシントンスクエアからソーホーのブロードウエイ沿いに南におり、

「まとまった数のグループが先頭に立ち、次々と歩道のトラッシュを倒し、放火し、高級ブティックや銀行の窓ガラスを割りながら移動。警官たちは、止めることもできず、固まってその数メートル後を行進していった」
という。

Photo:Veronika Kailich

昼間のプロテストとはまったく別に、夜間には組織的に破壊活動をしているグループがいるということだ。

略奪者は「デモ隊」とは別

3)略奪者(Looters)

デモを隠れ蓑に、暗くなってから店舗を襲い、略奪するのがルーターだ。彼らはデモ隊ではない
これは1992年のロス暴動の時にも起こった現象なのだが、火事場泥棒として窃盗をする者があらわれる。地元民の火事場泥棒に対しては、被害者の弟であるフロイドさんも「暴力はいけない」とスピーチをした。

一方、マンハッタンのシャネルやグッチといった店を狙い、甚大な被害をもたらしたのは、「怒れる市民」ではなく、より組織化された新手のルーターたちだ。

彼らは狙う店を決めて、戸板を外す用具やチェーンを裁ち切るクリッパーやバールを用意して押し入り、商品を盗ったら、すぐに車に積んで逃走する。
犯罪者のほうもテキストやSNSで情報を流し合っていて、動きが迅速で、組織だっている。
NY市の発表では、地元のギャングや窃盗団とされるが、デジタル世代のルーターたちはまさに根こそぎもっていくバッタの大群のようだ。