小池百合子氏「たった55日の防衛大臣」時代に起こした大混乱の真相

救世主として現れ、怪物として去った
半田 滋 プロフィール

防衛省でポイントを稼ごうとしても必ず、守屋氏のチェックが入る。小泉氏に不満を訴えたとしても「守屋と相談して、よろしくやってくれ」と言われるだけではないのか。そう考えたのではないだろうか。

小池氏は短い在任期間だったにもかかわらず、守屋氏との対立に加え、訪米やインドへの訪問もあり、まともに防衛政策を練る時間などあろうはずもなかった。しかし、常に記者には囲まれていた。

自らに不利な状況を察した小池氏が大臣辞任を表明したのも、日本からインドへ同行した報道陣の前だった。戸惑う記者が何度も聞き直すと、小池氏はイラつき、「私は辞めるって言ってるのよ! わかる?」と声を荒らげた。

 

都知事選を前に考えたい

『女帝』を読むと「なるほど」と思う。敵をつくり、その敵への憎悪を人々の中にも植えつけ、その憎悪のパワーを利用して自分への支持へとつなげていく手法を小池氏は繰り返した、とある。

東京都知事選の告示は6月18日。これ以上はないタイミングで超弩級のノンフィクションが出版されたと思う。

『女帝』は、「カイロ大卒」との小池氏の学歴について、カイロで2年間同居していた女性の新証言を含めて、多角的な視点から疑問を投げかけている。9日のテレビ朝日の報道によると、カイロ大当局は「小池氏が1976年に卒業したことを証明する」との声明を発表したという。

同様の声明は『女帝』にも出てくるが、学者らから「あまりにお粗末」(同)と指摘される、アラビア語はどうしたわけだろうか。一時は「カイロ大を首席で卒業」と主張した小池氏が「英語に置き換えれば『中一レベル』」(同)で話すはずなどないのだが。

小池氏は、私たちの信頼に足る政治家なのだろうか。学歴に関しては会見を開いて証拠を提示し、後顧の憂いをなくして、都知事選に臨むべきだろう。真実は情報の開示によってのみ、明らかにされる。

関連記事