「デブ警察」の風潮をNGにしていこう!
ファンの方からは、こんな相談もよくもらうようになった。
「自分の体のことを少しずつ愛してあげようと思えるようになった。でも、周りから容姿に関する揶揄や指摘をされてしまったときに、複雑な気分になる」という話だ。
私はつい最近まで、「そういう声には耳を傾けずに生きていこうやで、何の意味もない言葉だよ。あなたは素敵やで」などと答えてきたけど、他人の容姿を指摘する事がまかり通っている今の日本で、自分だけの意識で世界を変えようとするのも、確かに無理があるのだということに最近になって気が付いた。
なので私は、これを提案したい。体型を揶揄されたり指摘された時に
「うわ!! それ、デブ警察って言うんですよ!! ダサいんでやめてください!!」
と言うこと。きっと相手は一瞬固まる。笑われるかもしれないが、デブ警察なんてダサい名称で呼ばれるなんて思わないはずだ。
目には目を。デブ警察にはデブ警察が恥ずかしい事だと自覚してもらう必要がある。
自分が言われなくても、周りで揶揄している人がいたら使ってみて欲しい。
思えば会社員時代、子供っぽいおじさん社員がよく私にちょっかいを出してきていた。小学生男子並みのちょっかいで、嫌がっても逆に面白がってなかなか辞めないので、二の腕を掴まれたときにハッとして、「セクハラ!!」と叫ぶと、周りの社員も視線をこちらに向け、おじさん社員は怯んで手を離した。そして彼は私にちょっかいを出すのを諦め、苦笑いしながら自分の席に戻っていった。
『セクハラ』がおじさんの動きを止める魔法の呪文だったのだ。
そもそも『セクハラ』や『モラハラ』『#Metoo』など昔は名称の無かったものが言葉として顕在化し、意味が共通認知されたことで、問題視しやすくなった。
「世の中の風潮や価値観を変えることは難しい」と言う人もいるけれど、例えば昔はゴールデンタイムにテレビで平然と放送されていたものも、今では「ありえないもの」になり、LGBTQや、結婚についての意識、働き方のあり方など、あらゆる価値観が、少しずつアップデートされていると感じるし、デブ警察についても、決して無理なことではないと信じている。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と安西先生(スラムダンク)も言っていた。
私は次世代の子ども達のためにも、デブ警察を始めとした、あらゆる『不寛容警察』を解散させ、自分が自分として生きることを許し合える社会を、今この記事を読んでいるあなたと、作っていきたい。

【吉野なおさんの記事は、毎月第3金曜日に掲載していく予定です。お楽しみに!】
ボディポジティブに関係することとして、
『日本の店頭にあるアパレルアイテムのサイズ展開の幅、狭くない?』ということも考えています。
◆どうしたら日本のファッションでサイズ展開が広がるのか増えるのか考えてみた https://note.com/nao_y_nao/n/n7c6953a10975
◆【ずっと試着がしたかった】 #マイサイズをフレンドリーに #MYsizeforeveryBODY
https://note.com/nao_y_nao/n/n62d7ca509cbf
プラスサイズに限らず、ミニマムサイズ、トールサイズ、靴のサイズなど、あらゆる身体的特徴のある人たち(もちろん普通サイズの人たちも)が、揶揄されず、困らず、心地よく暮らせる社会になってほしいと切に願っています!!!