ソフトバンクグループが「株価急上昇」し始めたワケ
カリスマ経営者・孫正義氏が率いるソフトバンクグループといえば、2020年3月期決算で1兆円をこえる巨額赤字に転落したことは記憶に新しい。
決算会見に登壇した孫正義氏は、いままで見たこともないような沈鬱した表情。得意の冗談ひとつも飛ばさない孫氏の姿から、同社が直面している「惨状のひどさ」(アナリスト)がまざまざと浮かび上がったばかりだ。
そんなソフトバンクグループをめぐっては経営危機を指摘する声も出ていたところだが、ここへきてそんな悲観論とはまったく逆の動きが出てきたことをご存じだろうか。
アナリストが言う。
「ここへきてソフトバンクグループの株価が急上昇しているんです。5月末には同社の株価は5000円以下にまで沈んで、節目である4500円割れすることもあった。それが6月に入ると5000円台を回復。あれよあれよと駆け上がり、6月19日には5576円の高値をつけて大台の5500円台を超えて見せたのです」

DeepScore企業調査本部長の藤本誠之氏も言う。
「ソフトバンクグループをめぐっては、運営する通称『10兆円ファンド』による投資がうまくいっていないことが明らかになってくるにつれて不安感が高まっていました。そこへきてコロナショックの直撃もあり同社の株価は大きく売りこまれていましたが、ここへきて流れが変わってきた。完全にリバウンド相場入りしているのです」