(1) 物の名前を尋ねてタッチさせる
散歩の途中で目についた物を指さし「これは?」と尋ねます。答えがなければ親が「木」とプロンプトし、子どもに「木」と言わせます。
慣れてきたら言葉を反復させるだけでなく、木にタッチさせましょう。実際に触って色や匂い、手触りを感じることで五感が刺激され、物と言葉が結びつきやすくなります。

(2)「どこかな?」にタッチで答えさせる
「これは?」に加え、「○○どこかな?」と問いかけると疑問形のバリエーションが広がります。
たとえば、「木、どこかな? 木、どこかな?」と問いかけ、子どもと一緒に木に近づきます。子どもが木を指さしたら、「そう、木だね」と声をかけながら、木にタッチするように促しましょう。
もちろん、できたらほめたり喜んだりすることは問題ありません。

ABAを知る以前の私は、息子にとにかくいろんな言葉をインプットさせようと必死になっていました。
たとえば葉っぱを指さして「葉っぱ、葉っぱ」と言いながらタッチさせるというやり方で、手当たり次第に言葉を教え、リピートさせていました。
ところがこの言葉かけが、息子に強固なオウム返しを定着させてしまったのです。息子は言われた言葉はすべてリピートするものだと思ってしまったようです。
母「眠いの?」子「眠いの?」、母「眠くないの?」子「眠くないの?」、母「どっちなの?」子「どっちなの?」……こんな具合で、この子は一生会話ができないかもしれないと覚悟したこともありました。