累計9万部突破の大ベストセラー『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』シリーズに、待望の「実践編」が登場!
早くも大反響をいただいています。

その刊行を記念して、著者である板橋繁コーチに特別インタビューを敢行。
第3回のテーマは、名だたるトッププロが実践している最新スイングの「インパクト」。ゴルフ界を牽引するプロたちは、どのようにボールをとらえているのか? そして、あなたの上達を妨げる要因とは?
最先端のスイング理論に基づいた「世界標準のスイング」習得法を大公開!
(取材・文/水品 壽孝)
世界のトッププロは「ヘッドを走らせない」
ゴルフにおけるインパクトのイメージは現在、大きく様変わりしている。
かつてのゴルフスイングは、切り返しで左腰を飛球線方向にスライドさせたら、左肩がなるべく開かないように体の回転をブロック。左サイドに壁をつくり、体の正面で腕を返してヘッドを走らせ、ボールを強烈にヒットするのが良しとされてきた。
いわゆる、「リストターンスイング」だ。
しかし、板橋氏によれば、現在のゴルフ界を牽引する世界のトッププロたちには、「ヘッドを走らせて、ボールをヒットする」意識はまったくないという。
「体の正面をつくらずに体を回転し続け、腕を返さずにクラブを体の近くでまーるく振るのが、いま世界で主流になっているスイングです。インパクトはスイングの通過点にすぎず、インパクトを“点”としてイメージすることはありません。まーるく振ったクラブの軌道上にあるボールを『かっさらう』イメージでスイングしています」
リストターンでボールを“引っぱたく”スイングから、ノーリストターンでボールを“かっさらう”スイングへ──。
この違いは、グリップとクラブヘッドの位置関係に着目するとわかりやすい。従来のスイングでは、グリップを支点にしてリストターンをおこなうことで、インパクト後は、クラブヘッドがグリップを追い抜いていた。
しかし、ノーリストターンで腕を返さない、現在の世界標準のスイングでは、グリップとクラブヘッドの位置関係は変わらない。つねにクラブヘッドよりもグリップが前にある「ハンドファースト」の状態がキープされ、インパクト後も、クラブヘッドがグリップを追い越すことはない。

クラブの挙動にこれだけ大きな差がある以上、リストターンの有無だけではなく、体の使い方も大きく違ってくるのは当然のことだ。
お手本はメジャーリーガー!?
板橋氏は、その体の使い方が「メジャーリーガーのバッティングフォームと酷似している」と指摘する。
「メジャーリーガーの場合、右バッターならば、テイクバックでつくった右ひじの角度を変えずにクルっと背中を回し、最短距離でインパクトしています。インパクトの直前では、体の左サイドがしっかりと後ろに切られ、右ひじは曲がったまま右脇腹の前に入ってきて、右手の甲がピッチャー方向を向きます。
理想はメジャーリーガーのバットスイング
腕が伸び切ることはなく、右ひじは曲がったまま体に密着、左ひじも曲がった状態でクルッと背中を回し、最短距離でインパクトに向かう

(右)身体の左サイドがしっかりと後ろに切られ、グリップエンドがピッチャーの方向を向く
その体勢のまま上半身を前傾させると、世界のトッププロたちが実践しているゴルフスイングでのインパクト直前の形と同じになります」

どういうことか。