「戸建て」人気が急上昇中!
DeepScore企業調査本部長の藤本誠之氏が言う。
「テレワーク・リモートワークの推進で、都心部のマンションより、戸建ての人気が高まっているんです」
これまでは「痛勤」と言われるほどの満員電車通勤での負担を少しでも解消するため、「都心」「駅近」のマンションの人気傾向が上昇し続けてきた。実際、ここ数年で主要沿線の駅前にはタワマンが続々と建設され、そんな「駅近タワマン」が少子高齢化でしぼんでいた不動産市場を牽引してきたことは間違いない。
当然、駅から離れた戸建ては敬遠される傾向が強く、「空き家化」の温床とすらなっていた。それが一転、戸建ての人気がここへきて一気に高まっているというのだ。
「実際、都内23区など都心部の戸建て住宅に強みを持つオープンハウスが6月8日に発表した最新決算情報では、戸建関連事業の5月の仲介契約件数が急回復したというのです。
これを受けて、オープンハウスの株価は急伸。その後も上値追いの展開が続くなど、マーケットでは戸建て人気のさらなる高まりを期待する動きが出てきている」

戸建てマーケットは郊外のみならず、都心部でも相続対策で手放す人が増えている。そうした土地もこれまでは人気が薄く、都心部でも住宅街に「空き地」が点在するような光景が広がっていた。
「これからはそうした都心部の駅から徒歩10分以上の戸建てが人気化する可能性が出てきました。家族で住むには十分な広さを確保できるうえ、都心の利便性も確保できる。一方、これまで通勤のために都心に住んでいた人は、在宅勤務が可能になることで郊外の戸建てへ移動する流れも出てくるでしょう」(不動産仲介業者)
逆にいえば、これまで超・高額化していて駅近タワマンは価値が一気に暴落する可能性も出てきたというわけだ。