家族や友人を亡くした後に体験する悲しみや喪失感、罪悪感などの情緒的反応を、「グリーフ(悲嘆)」と呼ぶ。グリーフ状態はいつかは終わる。しかし、その回復の過程においては、誰かと思いを共有することも大切だ。
そうした遺族の心の状態に寄り添い、回復のサポートを行うことをグリーフケアと呼ぶが、その女性にとって女性用風俗は、そんな機能を果たしていたのではないだろうか。
女性が求めるのは外見だけじゃない
「美男」でトップクラスの人気セラピスト、Bさんにも直接話を聞くことができた。
どんなイケメンが現れるのかと内心ドキドキしていたが、Bさんは意外にもいわゆるジャニーズ系とか、いかにも女性を知り尽くしていそう、というタイプではなかった。
ラフなTシャツに黒髪のBさんは、気取ったところもオラついたところもない。一言で現すと、女子会に混じっていても全く違和感がないような、穏やかなタイプの癒し系。話し方もとても丁寧で、とにかく優しそうだ。そこがきっと魅力なのだろう。
本人に職歴を聞くと、女性が多い職場で働いた経験が多く、初対面の女性とも気軽に打ち解けられる聞き上手が売りだという。彼が同店でナンバーワンだという事実からも、女性が求めるものが決してビジュアルのみではないことがわかる。
そんなBさんを指名する利用者には、一晩を一緒に過ごす「お泊りコース」を希望する女性も多い。当然ながら拘束時間が長いため料金は跳ね上がるが、それでもBさんと長時間一緒に過ごしたいのだ。