自身の留学先スウェーデンで避妊法の種類の多さや入手しやすさにショックを受け、女性の性と健康について学び、発信し続けている福田和子さん。先日、コロナ禍での新型コロナと妊娠不安、緊急避妊薬についてのアンケートを実施、男女あわせて1545人の回答が寄せられました。その調査結果からわかった悲しい現実とは……。
コロナ禍では、感染拡大以外に
「妊娠不安」のパンデミックが発生
新型コロナウイルスの感染拡大の裏で、「影のパンデミック」とも呼ばれ大きな問題となっていることがある。それは、女性や子どもへの増大する「妊娠不安」というパンデミックだ。そこには性暴力も含まれる。さらには、日本国内でも中高生からの妊娠不安に関わる相談が過去最高を記録したという報道もされている。
そんな中ニュースを聞き私の頭をよぎったのが、「緊急避妊薬へのアクセスは、果たして守られているのだろうか」ということだ。緊急避妊薬(通称アフターピル)とは、妊娠不安のある性行為からできるだけ早く、72時間以内に服用することで、高い確率で妊娠を防ぐことのできる薬だ。タイムリミットのある性質から、現在世界約90カ国では、薬局で処方箋いらずに入手できる薬となっている。
これまで私が調査してきた限りでは、低所得国、高所得国にかかわらず、たいていは数百円から、高くても5000円程度で販売されている。医療機関でもらう場合は、若者には無料で提供しているという国も少なくない。一方、日本の現状はというと、他国とは大きく違うシステムと価格で提供されている。必ず医師の診察を受け、処方箋をもらう必要がある。さらに価格も約6000円から2万円程度と他に類を見ない高額さなのだ。
