2020.07.08
# 不動産

マンション販売は壊滅状態…なのに「価格が全然下がらない」驚きのワケ

コロナ危機は不動産にこう影響する
加谷 珪一 プロフィール

コロナ危機はむしろ「コスト高」要因

このような話をすると、コロナ危機で全世界的に不況になっているのだから、資材価格も暴落するのではないかとの疑問が出てくるかもしれないが、話はそう単純ではない。確かに全世界的に建設が滞ったことで、資材に対する需要も減少している。一方で、各企業は全世界に拡大したサプライチェーンの縮小も検討している状況だ。

これまでの時代は、1円でも安い製品を求めて全世界からモノを調達するのは当然のことだったが、こうしたグローパル・サプライチェーンはコロナによって完全に崩壊した。国内でも中国から資材が入らず、リフォーム工事が中断するといった事態が相次いだ。

〔PHOTO〕iStock
 

今後は、全世界的に可能な限り近隣(あるいは自国内)からモノを調達する動きが顕著となり、世界的な貿易停滞によって輸送コストも上昇する可能性が高い。つまり、ほとんどの資材を輸入に頼る日本にとって、コロナ危機の発生は大幅なコスト上昇を招く可能性があるのだ。

こうした状況を総合的に判断すると、コロナ危機による不況で何もかもが安くなるという予想は成立しないことがお分かりいただけるだろう。

加えて、マンションデベロッパーの大手寡占化が進んだことも価格が高止まりする要因となっている。体力のないデベロッパーの場合、建設したマンションを短期で売り切らないと、銀行に返済する資金を捻出できない。このため中規模以下のデベロッパーは、場合によっては価格を大幅に下げてでも売り切ろうとする。

しかし、大手はもともと企業体力があり、量的緩和策の影響によって有り余るほどのキャッシュがある。仮に販売が不振だったとしても、たたき売りをする理由がない。大半のデベロッパーは在庫として保有し、しばらくの間、様子を見るだろう。

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