スターを目指す若者たちは「韓国」に未来を見る──「NiziU」の快進撃

日本のガールズグループが力を失う中で
松谷 創一郎 プロフィール

選抜方法と才能の数々

NiziUのメンバーは3段階の審査で選抜されていった。

第一次は、日本8都市・アメリカ2都市の地域オーディションだ。ここでまず応募者約1万人から26人が選ばれた。第二次は、日本での4泊5日の合宿におけるミッションで半分の13人に絞り込まれた。そして最終オーディションでは韓国に渡り、半年間をかけてさまざまな課題を経てデビューする9人が決められた。この概要だけでも、かなりの時間と手間がかけられたプロジェクトであることがわかるだろう。

評価基準も最初にしっかりと明示された。審査員は、基本的にJ.Y. Parkのみ。評価基準は、ダンス・ボーカル・スター性・ひとがらの4つで、参加者はペンダントにこの4種のキューブを集めるという趣向だ。

こうして選ばれたNiziUの9人は、番組を見ていた者にとっては非常に順当な印象だった。

なかでも、リーダーを務めるマコは、かなり早い段階からデビューは確実だと思われる実力の持ち主だった。ダンスとボーカルがともに高い水準だっただけでなく、リーダーシップにおいても高い能力を発揮していた。最終オーディションの後半では、おそらく意図的に実力が下位のメンバーをマコのグループに入れ、リーダーとしての資質を探っていたように見えた。

ミイヒとリマも、早い段階からその才能を見せつけていた。ミイヒは歌唱力で才能を見せつけ、リマは高い水準のラップを見せつけた。とくにリマのラップスキルは、日本では稀有なものだ。

10年代にグローバルなポピュラー音楽シーンの中心にあったのはヒップホップだったが、古いロックサウンドに固執する日本のメジャーシーンはその範疇外にあった(「邦ロック」という呼び方はまさにその閉鎖性を示唆している)。

K-POPではアイドルでも当たり前のように取り入れているラップを、日本では活用できる人材がいなかった。リマは、それを巧みにこなす。彼女が日本を代表するヒップホップMC・Zeebraの娘であることも、もちろん無関係ではないだろう。

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