駅のマナー的にどうなのか
この「ステーション・バー」に関しては、ネット上で賛否両論の意見や感想が述べられている。「私もやってみたい」、「マネするのは控えるけれど、理解できる」という肯定的なもの、一方の「悲しすぎる」「怪しいおじさんみたいでやめたほうがいい」という否定的なものだ。
ところで、「どうして帰りにどこかのお店に入って飲まないのか。高価なお店ばかりではなく、いわゆる大衆酒場だってあるのに」と訝る人もいると思う。筆者も正直なところ、最初はそんな風に思った。
しかし、この『定額制夫の「こづかい万歳」』という漫画は、奥さんから毎月もらっている少ない小遣いをやりくりする様子を描いた作品なのだ。ひとたび景気よく飲みに行けば、それで終わってしまうほど懐が心もとなくなる。
それゆえの「対策」と考えると、ちょっと悲しくなる。いっそのこと、まっすぐに帰宅して自宅で晩酌をすればいいのにとも考えるけれど、自宅では飲みたくない事情もあるのだろう。

だから駅構内での飲酒、となるのだが、果たしてこれはマナー的にどうなのだろうか。
グループでベンチを独占して、大声で盛り上がるような事態であれば、ひんしゅくを買うであろうし、他の利用者を不愉快にさせるような行為は厳に慎みたいものだ。
ひとりであっても、駅のベンチで堂々と飲酒をしていい気持ちになるのも、たまたま隣に座った若い女性が不愉快な気分になるようなら、やはり、やめたほうがいいかもしれない。
別に、絡んだり、寄りかかったりするわけではなくても、酒臭い人が至近距離にいるだけで迷惑になることもあろう。酩酊すればホームを千鳥足で歩いていて、転落することもないわけではない。ホームドアがない駅での転落事故の多くは酔っ払いであるという話もある。