結局、ヤマダ電機は大塚家具に「何も期待していない」のかもしれない
「ヤマダ家具」はニトリと戦えるのかコラボ店舗はどうなっているか
昨年の12月30日、ヤマダ電機による大塚家具への資本参加が実現し、大塚家具は子会社化されました。出資額43億円でヤマダ傘下に入った大塚家具ですが、現在はコラボレーションとして、両社の売り場を共有してそれぞれの商品を販売する動きを進めています。
大塚家具の新宿、みなとみらい、名古屋栄ある店舗が顕著な例で、家電専用のフロアも設けられました。また、池袋にある店舗のように、ヤマダ電機のワンフロアに大塚家具の商品が並べられ、そのインテリアの一部として家電が販売されているパターンもあります。

実際にヤマダ電機と大塚家具のコラボ店舗に行きますと、ヤマダ電機の店舗内コラボは、家具コーナーにある陳列のほとんどはヤマダ電機のプライベートブランドでした。大塚家具の製品は、それらPB商品の2〜3割ほど高い価格設定で少しだけ置いてあります。
ユーザー目線で店員の話を聞きながら比較してしまうと、自分だけのものをカスタマイズして作りこむようなことに価値を見出す人は、多様にカスタマイズできる大塚家具の製品を買いたいと思うのでしょう。ですが、ヤマダ電機の店舗に来る人のほとんどは、カスタマイズできなくても安価なヤマダのPB商品を選ぶと思います。
一方で、大塚家具の旗艦店とも言える新宿ショールームを訪れると、まず1階はほとんどヤマダ電機をそのまま持ってきて、色合いだけもともとの大塚家具のトーンに合わせたようになっています。
デザインのセンスは人それぞれですが、豪華な建物の色調に、家電量販店でよく見かける、売り場やフェアを案内するプレートが多数ぶら下がっていて、ミスマッチな感もあります。エレベーターもアジアの豪華なデパートのような雰囲気の中になかなか溶け込めないヤマダ感溢れるポスターが貼ってあったりもします。
古い時代の大塚家具のユーザーは、店舗での扱われ方や雰囲気などを全部含めて価値を見出して対価を払っていたことでしょう。その顧客像とヤマダ色とのアンマッチは容易に想像できてしまいます。念のため記しておきますが、節約好きの著者はヤマダ電機のヘビーユーザーです。