すでにシーズン2も決定!
医師がバンド?演奏曲も大ヒット
『賢い医師生活』

実はこのドラマ、前述で紹介した『刑務所のルールブック』(原題「賢い監房生活」)と演出家・脚本家が同じなんです。なので、『刑務所のルールブック』→『賢い医師生活』の順に観ていただくのがおすすめ。『刑務所のルールブック』の出演者をはじめとするカメオ出演がたくさんあります。
医療ドラマですが、ブラックジャックのような天才ドクターが登場するわけでもなく、生々しい手術シーンがあるわけでもなく、仕事やプライベートにおいて激しい展開もなく、「医師たちの日常」を描いた作品で、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』のように大きな出来事を主軸としたストーリーではないので、最初は掴みどころがよく分からず、面白さを感じないかもしれません。
でも、じわじわ来ますよ! お仕事7割:趣味や恋愛などのプライベート3割といった感じで、1話のなかに共感できる小ネタがたくさん描かれているので、じんわりと心に響いてきます。クスッと笑える演出もたくさん。毎話、セリフや表情、行動にちょっとした変化があり、それがその後の関係に繋がるので、深く読み解きながら観るとより一層面白さが伝わると思います。

1999年にソウル大学の医学部に入学した同級生5人が、小児外科医のジョンウォン(ユ・ヨンソク)の提案により、20年ぶりに同じ病院で働くことになったところから物語はスタートします。全員それなりの役職を持つ40代の医師で、「最善を尽くします」というセリフを常套句に患者と医学に真摯に向き合い、仲間と悩みを分かち合いながら、バンドという趣味も共にしながら過ごす日常を描いています。
ジョンウォン以外の同期メンバーは、

肝胆膵外科のイ・イクジュン(チョ・ジョンソク)。何でもできる名医で唯一の既婚者。初登場シーンが面白すぎるので必見!

胸部外科医のキム・ジュンワン(チョン・ギョンホ)。後輩にも患者にも厳しい発言が多いのですが、実は熱いハートの持ち主。

産婦人科医のヤン・ソクヒョン(キム・デミョン)。バツイチのマザコン。少し変わった性格ですが、患者さんにかけるセリフが素敵!

神経外科医のチェ・ソンファ(チョン・ミド)。同期のなかで紅一点、短所がなく完璧な生活を送る独身カリスマ女医。
チョン・ミドは、初めて見た女優さんだったので調べてみると、ミュージカル界でとても有名な方でした。ドラマ主演はこの作品が初めてのようですが演技も上手く、一番注目していたキャストです。

5人は性格も担当する科も違いますがとにかく仲が良く、テンポのいい会話やお互いを思いやる言動がとても微笑ましい。気の合う友達が集まるとついハジけてしまうこともあると思いますが、そんな「わかる、わかる〜」といったシーンもあり、友達っていいなと改めて思いました。
また、劇中で5人が一緒に食事をするシーンも多く、それもほっこり要素。しかも皆さん、とても美味しそうに食べるんです! トッポギ、キンパ、サムギョプサルなど、おなじみの韓国料理が度々出てくるので食べたくなってきますよ。

そして、最大の見どころはバンド演奏シーン! 劇中でバンドを組んだ5人が毎話新曲を実際に演奏し、歌うシーンが見られるのも楽しみのひとつ。ってかスゴすぎませんか? 演じるだけでも大変なのに、バンドの練習+演奏まで。その腕前もさすがで息もぴったり、本当に素晴らしい俳優さんたちです。彼らのバンド名「ミドとパラソル」のOST(劇中歌)も話題になっていて、メンバーそれぞれのソロ曲も配信され、チャートで1位を獲るなど音楽シーンでも大人気。
このドラマはフィクションですが、医師が患者さんに真摯に向き合う姿を通して、コロナ禍の医療従事者の方々の大変な苦労に感謝と敬意の気持ちもこみ上げてきました。ひとりの医師であり、ひとりの人間である彼らの日常にスポットを当て、現実的に描いているからこそ、よりその気持ちが高まるドラマなのだと感じます。
最終話は続きが気になるところで終わってしまいます。シーズン2は2021年に放送予定なので今から配信が待ち遠しい!