「再びクジラを給食に」? 税金でクジラ肉を守る、自民党の時代錯誤

いまこそ市場原理に任せる決断を
松岡 久蔵 プロフィール

日本はこのブラジル総会に、従来の倍近い陣容で挑んだ。欧米諸国からは「(昨今盛り上がっている)気候変動問題ならいざ知らず、今更捕鯨問題にここまで手間をかけるなんて、やっぱり日本は狂っている」と失笑を買っていたという。

反捕鯨の欧米諸国からすれば、どうせIWCの枠内で日本が商業捕鯨を再開することはありえないわけだから、総会が事実上「欧米諸国の捕鯨関係者が、税金で国外の保養地に行けるバカンス」(水産庁関係者)となっており、誰も真面目に取り組む気がないのは理解できる。実際、ブラジル総会の開催地となったフロリアノポリスは、美しい砂浜のある保養地として有名である。

このような低レベルな場で、いくら真剣に議論しようとしても意味がないのだから、筆者としては、日本のIWC脱退には基本的に賛成だ。IWCの運営費は日本政府が最も多く負担していた。このようなイベントに多額の税金を使って代表団を送り続けること自体、愚かしいことだ。

 

いまさら「クジラ需要拡大」も無理筋

日本はIWCを脱退した後、南極海での捕鯨は断念したものの、日本近海で商業捕鯨を継続できることになった。大規模捕鯨は戦後の食糧難の時代に盛んになったものであり、有名な捕鯨地である和歌山県太地町を含め、地域に根付いた捕鯨文化が復活するのは、良いことだと思う。

しかし一方で、冒頭の江藤氏の「学校給食復活」発言にもみられるように、和歌山が地元の二階俊博・自民党幹事長をはじめとする保守派議員には、とにかく「クジラを国民食にしたい」という願望が根付いているように感じられる。この飽食の時代に、好き嫌いの分かれるクジラの需要を国民的に拡大させたいとは、あまりに現実離れした考えだと言わざるを得ない。

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