「再びクジラを給食に」? 税金でクジラ肉を守る、自民党の時代錯誤

いまこそ市場原理に任せる決断を
松岡 久蔵 プロフィール

捕鯨は多額の税金によって守られてきた。捕鯨業者はこれまで長く「調査捕鯨」という枠の中で、税金によって支えられていたのだ。しかし今回商業捕鯨が再開されたことで、サバやサケ、マグロといった一般的な魚種と張り合っていかなければならない。

筆者の取材によると、鯨肉業界は「まだまだFAXと電話の文化で、旧来のネットワークの身内でないと鯨肉の仕入れは難しい」(鯨肉販売業者)という。自由な流通にもとづく「開かれた鯨食文化」の実現も、今後の課題となりそうだ。

 

嫌がる人に食べさせるわけにはいかない

鯨肉が特別扱いされる大きな理由の一つとして、太地町を地盤に持つ、前述の自民党の二階幹事長の存在がある。二階氏は30年にわたりIWCでの議論も見ており、日本が近年よりもさらにひどい罵倒にさらされてきた時代を体験している。

太地町に反捕鯨団体がわざわざやってきて、捕鯨業者にペンキを投げつけるなどの妨害行為をしたことは、人として許されることではないと筆者も思う。地元を代表する代議士である二階氏は、怒りとともに反捕鯨国の言動を見守ってきたことだろう。

ただ、それはそれとして、もう時代は変わっている。嫌がる人の口にまで、無理に鯨肉を突っ込むことなどできないのだ。より自然で効果的な方法で、鯨肉の需要を伸ばす方法もあるはずではないか。

自民党は「60歳でも小僧」と呼ばれるほどの長老政治で有名だが、その弊害がここにも表れているように見える。誰も二階氏を諫めず、むしろご機嫌取りで追従する議員しかいないのは誠に残念である。

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