月収23万の中から
8万4000円天引き…

目標額は5000万円だから当然、長期戦だ。とはいえ52歳という年齢なので、悠長にしている時間はない。まずは1年間で100万円を貯めようと、わかりやすい数値目標を作って、実行した。12カ月後に100万円を手にするには、毎月8万4000円ずつの積立だ。当時の月収は約23万円。養育費が毎月18万円あったとはいえ、住宅ローンの返済と私立大学に通う娘たちの学費を払ってギリギリの生活だった。他に方法も思いつかないので、コツコツと給与天引きで銀行にお金を入れるという地道な作戦をスタートさせた。

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しかし「貯める決心」と言っても、相当の努力が必要だ。まず生命保険、火災保険、自動車保険を見直して、すべて共済にした。直販投信の社長が書いた本を読んだら「まずは1ヵ月間、遊び感覚でとことん節約して、13万円くらいで生活してみよう!」とあったので、さっそく実践した。外食も無駄遣いも一切やめて、1ヵ月間頑張ったら、本当に13万円で生活できた。

「夕飯の買い物に行くのに、予算が500円しかないと娘たちに言ったら『ママ、餃子なら500円で作れるよ。新築の素敵な家なんだから、自宅で食べたほうがリッチな気分になっていいし』と。こういう経験をしておくと、自信になりますね。将来、仮に年金が6万円くらいしかもらえなかったとしても、他に7万円の収入があれば生活できますよ」

買い物でもきちんと予算を決める。子どもたちにも認識してもらい、節約仲間のようになった Photo by iStock

さて、このお金をどうするか。美香さんは100万円を貯めながら、投資で早く儲けたいという心をグッと抑えて、経済各紙やお金についてのさまざまな本を読んだ。その結果、長期投資で資産を形成していくという考え方に心がひかれた。

「バブル時代を経験して、私自身、貯めては使うの繰り返しでした。NTT株などで損をしたこともあるし、銀行から定期預金ではもったいないからと、証券会社の商品を勧められて、いいですよと言ったばっかりに、100万円が50万円になったこともあります。長期投資で、時間をかけて資産を形成するという考え方は堅実で、かつ今までにない新鮮な発想だったんです」

世の中を良くしていこうという考え方で運営している直販投信会社が気に入って、さっそく口座開設。100万円で投資信託をスポット購入し、同時に毎月3万円の積立も始めた。